配当金は英語で、「Dividend(ディビデンド)」といいます。
この記事では、配当金の英訳に加え、以下について解説していきます。
本記事のまとめ
配当金の英訳、配当金に関連する英語
配当金の中身・仕訳例
配当金の決算書での開示例
配当金を英語でいうと?
配当金を英語でいうと?配当金を英語でいうと、
Dividend(ディビデンド)といいます。
※なんとなくでも読めるようにカッコ内にカタカナでの読みを入れています。すべて単数形の発音ですので、厳密に正しい発音ではありませんm(_ _)m
配当金に関する英語には、他にも以下のものがあります。
配当金に関する英語(カタカナ発音)
受取配当金:Dividend income(ディビデンド インカム)
中間配当金:Interim dividend(インテリム ディビデンド)
期末配当金:Final dividend(ファイナル ディビデンド)
一つずつ解説していきます。
受取配当金:Dividend income(ディビデンド インカム)
Dividend(ディビデンド)は
「配当金」、Income(インカム)が
「収入」という意味なので、そのまま合わせると「配当金収入」となりますが、一般的にDividend income(ディビデンド インカム)は
「受取配当金」と訳されます。
例えば、あなたが株式投資をやっていて、投資先の企業が利益を出した場合、利益の一部が投資先から株主へ還元されて得るお金が受取配当金になります。
この例を図で表すと以下の感じです。
配当金を受け取るまでの流れ配当金を受け取るまでの流れ
株主が投資先の株式を購入。
投資先が利益を出しました。
利益の一部を還元するために株主に配当金を支払います。
株主が配当金を受け取ります。これが受取配当金となります。
中間配当金:Interim dividend(インテリム ディビデンド)
Interim(インテリム)は
「~の間」という意味なので、Dividend(ディビデンド)と合わせて、Interim dividend(インテリム ディビデンド)で
「中間配当金」という意味になります。
中間配当金は事業年度の途中で支払われる配当金のことです。
例えば、12月期決算の場合、企業は1月~12月の1年を事業年度とみます。
12月期決算の企業だと、半年に一回(6月、12月)の決算を終えた後に中間配当金を出したり、または四半期に一回(3月、6月、9月、12月)の決算を終えた後に配当金を出す場合が多いです。
【補足】
1月~12月の1年を事業年度とみなす企業の場合、
3月を第1四半期
6月を第2四半期
9月を第3四半期
12月を本決算
といいます。
第2四半期と本決算の後に中間配当金
四半期に1回の決算の後に中間配当期末配当金:Final dividend(ファイナル ディビデンド)
Final(ファイナル)は「最後の」という意味なので、「事業年度の最終期」ということから
「期末」という意味になり、Dividend(ディビデンド)と合わせて、Final dividend(ファイナル ディビデンド)で
「期末配当金」という意味になります。
期末配当金とは、本決算(事業年度の最終期)の後に支払われる配当金のことです。
中間配当金と同じ例を使うと、12月期決算の場合、12月が最終期となります。12月を終えて、1年間の本決算を行った後に期末配当金が出されます。
1年の決算後に期末配当ただし、どの配当金もそうなのですが、
実際に配当金が支払われるのは決算から2~3ヶ月後となるのが一般的です。 配当金の中身・仕訳について
配当金の中身・仕訳について上でも紹介しましたが、配当金とは株主に対して分配される利益(金銭)のことです。
配当金は損益計算書(Profit or loss/PL)、貸借対照表(Balance Sheet/BS)のどちらにも出てくる勘定科目です。
配当金を受け取る側なのか(株主なのか)、支払う側なのか(企業側なのか)で仕訳が異なってきます。
下の図はシンプルなPL、BSです。配当金がどのようにPLに影響を与えるのか、図を使ってイメージでも理解していきましょう。
【配当金を受け取る側(株主側)】
配当金を受け取る場合、受取配当金はCr.(借り方)である売上(収益)に記帳されるので、その分売上(収益)が増えることになり、結果的に利益を増やすことになります。
受取配当金はCr.の売上・収益を上げる【配当金を支払う側(企業側/投資先)】
配当金を支払う場合、利益を株主へ還元するため、Dr.(貸し方)で資本に記帳されるので、結果的に資本を減らすことになります。
配当金を支払うとCr.の資本を下げるでは、会計上どのように仕訳するのかを、シンプルな例を使ってみていきます。
【配当金を受け取る場合(株主の場合)】
投資先に100万円を出資していたので、決算が終わり3万円の配当が出されることになりました。
Dr. Other receivables(未収入金) 30,000
Cr. Dividend income(受取配当金) 30,000
(Dr.=貸し方、Cr.=借り方)
この仕訳を図で表すと、以下の通り。
配当金が入ってくる予定なので、資産の未収入金が上がり、売上・収益の受取配当金も上がる後日、配当金3万円が口座に入金されました。
Dr. Cash and cash equivalents(現金及び現金同等物) 30,000
Cr. Other receivables(未収入金) 30,000
(Dr.=貸し方、Cr.=借り方)
配当金が払われたので、資産の現金及び現金同等物が上がり、未収入金が下がる【配当金を支払う場合(企業側/投資先の場合)】
株主から100万円を出資してもらっていたので、決算を終えて3万円の配当を出すことにしました。
Dr. Retained profits(利益剰余金) 30,000
Cr. Other payables(未払金) 30,000
(Dr.=貸し方、Cr.=借り方)
配当金を支払う予定なので、負債の未払金が上がり、資本の利益剰余金が下がる後日、株主へ配当金3万円を支払いました。
Dr. Other payables(未払金) 30,000
Cr. Cash and cash equivalents(現金及び現金同等物) 30,000
(Dr.=貸し方、Cr.=借り方)
配当金を払ったので、資産の現金及び現金同等物が下がり、未払金も下がる配当金の決算書での開示について
配当金の決算書での開示についてここからは実際に配当金がどのように決算書で開示されているのかをご紹介します。
配当金を受け取る株主側と配当金を支払う企業側では、決算書で配当金が開示される箇所がそれぞれ異なるので、別々に見ていきたいと思います。
配当金を受け取る株主側の場合
配当金を受け取るということは受取配当金が記帳されるので、これはPLに出てくる収益になります。
Big4監査法人の一つであるPwCが公表している決算書の実例で確認していきます。
受取配当金は、「Other income(アザー インカム)」の下にある赤で囲っている「Others(アザー)」に含まれます。
ちなみに、Other income(アザー インカム)は
「その他収益」という意味です。
受取配当金が含まれるOthers(アザー)の内訳はNote 7(注記7)で開示されているので、詳しくは注記を見てみましょう。
上の画像は、受取配当金が開示されている注記7の「Other income(アザー インカム)」です。
赤で囲っている「Dividend income(ディビデンド インカム)」が受取配当金になります。
配当金を支払う企業側の場合
配当金を支払うということは中間配当金もしくは期末配当金が記帳されるので、これはBSに出てくる項目になります。
ここでもまた、Big4監査法人の一つであるPwCが公表している決算書の実例で確認していきましょう。
企業からの支払い配当金は、貸借対照表(Balance Sheet/BS)のRetained profits(リテインド プロフィット)に含まれます。
上でも紹介しましたが、Retained profits(リテインド プロフィット)は
「利益剰余金」という意味です。
上のBSではRetained profits(リテインド プロフィット)の注記番号が記載されていないので、株主資本変動計算書(Statement of Change of Equity)を確認します。
株主資本変動計算書とは?
BSにあるEquity(資本/純資産)の一事業年度の変動を見せてくれる書類です。
前年度の残高から今年度の残高になるまで、どのように変化したのか?を一覧で開示しています。
上の画像は株主資本変動計算書になりますが、赤で囲っているDividend paid(ディビデンド ペイド)が「(支払い)配当金」になります。
Noteの列に39とありますので、詳しくはNote 39(注記39)を見ていきましょう。
上の画像は、(支払い)配当金が開示されている注記39の「Dividends(ディビデンド)」です。
「Final dividend paid…」と書いてあるので、この企業では2020年、2019年の事業年度中に期末配当金が出され、その金額がここで開示されていることになります。
まとめ
まとめ最後に本記事のまとめです。
今回は配当金の英訳・内訳について解説しましたが、本格的に「英語x会計」のプロになりたいと考えている方はUSCPA(米国公認会計士)を目指してみても良いかと思います。
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