減価償却費を英語で?【海外で役立つ会計英語を簡単解説】

たぬき

減価償却費って英語でなんていうんだろう?


tanuki

減価償却費は英語で、「Depreciation(ディプリシエーション)」といいます。
この記事では、減価償却費の英訳に加え、以下について解説していきます。

本記事の内容
  • 減価償却費の英訳
  • 減価償却費の中身・仕訳例
  • 減価償却費の決算書での開示例

減価償却費を英語で?【海外で役立つ会計英語を簡単解説】

減価償却費を英語で?【海外で役立つ会計英語を簡単解説】

減価償却費を英語でいうと?

減価償却費を英語でいうと、Depreciation(ディプリシエーション)といいます。

「費」とついているので、「費用」の意味を表すExpense(エクスペンス)をつけて、Depreciation expense(ディプリシエーション エクスペンス)でも通じますが、多くの場合、減価償却費はDepreciationと表現します。

なんとなくでも読めるようにカッコ内にカタカナでの読みを入れています。すべて単数形の発音ですので、厳密に正しい発音ではありませんm(_ _)m

また、減価償却費と関連してよく出てくる英語には以下のものがあります。

減価償却費と関連してよく出てくる英語(カタカナ発音)
  • Property, plant and equipment(プロパティ プラント アンド イクイップメント):有形固定資産(略してPPE(ピーピーイー))
  • Buildings(ビルディング):建物
  • Plant and equipment(プラント アンド イクイップメント):設備及び装置
  • Motor vehicles(モーター ビーコー):車両運搬器具
  • Accumulated depreciation(アキュムレイティッド ディプリシエーション):減価償却累計額
  • Useful life(ユースフル ライフ):耐用年数
tanuki

ここから先は英文会計の話になるので、少し難しくなります。英文会計の基礎を知りたい場合は、まずは以下の記事をぜひご覧ください。
>>【【英文会計入門】海外で経理として働くための知識を解説】

減価償却費の中身・仕訳について

減価償却とは、1年以上使用できるような固定資産の取得のために使った費用を、その使用できる期間にわたって費用として配分することを指します。減価償却費とはその配分された金額のことです。

なぜその固定資産の使用できる期間にわたって配分する必要があるのか?といいますと、より正確に費用を表すためです。

例えば、
うどん屋さんを開業することになったとして、うどん製造機を500万円で購入したとします。
①減価償却をしなかった場合、うどん製造機を購入したその年に500万円がそのまま費用になります。
②一方、減価償却をした場合、うどん製造機の使用できる期間は10年だとすると、毎年50万円(500万円÷10年)を費用に計上することになります。
減価償却にはいくつかの方法がありますが、ここでは毎年一定の金額を償却する「定額法」を用いています。
この例の①の場合(減価償却しない場合)だと、設備購入した年に大きな費用が計上されることになるので、今まで黒字だったとしても、設備購入した年だけ赤字になる可能性があります。

②の場合(減価償却する場合)だと、毎年一定金額を減価償却するので、設備購入した時にいきなり多額の費用として計上されることはありません。

つまり、1年以上使用できるような固定資産の購入には、減価償却を使用したほうが損益計算書に正確な費用を反映させることになります。

減価償却費の仕訳例

減価償却費は損益計算書(Profit or Loss / PL)に出てくる勘定科目ですが、ここからは減価償却費がどのようにPLに影響を与えるのか、図を使って理解していきましょう。まずは下の例をご覧ください。

例えば、
うどん屋さんを開業することになったので、1月1日にうどん製造機を500万円で購入しました。うどん製造機の使用できる期間は10年とします。(決算日は12月31日。)
こちらの例をもとに仕訳を紹介していきます。

①うどん屋さんを開業することになったので、うどん製造機を500万円で購入しました。
Dr. Property, plant and equipment(有形固定資産) 5,000,000
 Cr. Cash and cash equivalents(現金及び現金同等物) 5,000,000
(Dr.=貸し方、Cr.=借り方)
この仕訳を図で表すと、以下の通り。
うどん製造機を購入したのでBSの有形固定資産が増加。購入に500万円かかったのでBSの現金及び現金同等物が減少。
②1月1日にうどん製造機を購入し、使用できる期間は10年とするので、12月31日に減価償却費を計上します。
Dr. Depreciation(減価償却費) 500,000
 Cr. Accumulated depreciation(減価償却累計額) 500,000
(Dr.=貸し方、Cr.=借り方)
減価償却するので、PLの減価償却費が増加。それと同時に、減価償却累計額でBSの資産が減少。
ちなみに、このうどん製造機を10年目まで使用した際には、以下の表のように減価償却累計額は購入金額と同じ金額に達します。

つまり、10年目になると、「有形固定資産(5,000,000)ー減価償却累計額(5,000,000)=0」ということです。

減価償却費減価償却累計額
0年目(購入時)00
1年目500,000500,000
2年目500,0001,000,000
3年目500,0001,500,000
4年目500,0002,000,000
5年目500,0002,500,000
6年目500,0003,000,000
7年目500,0003,500,000
8年目500,0004,000,000
9年目500,0004,500,000
10年目500,0005,000,000

【補足】DepreciationとAmortisationの違い

減価償却費に似た用語として、「償却費」というものがあります。それぞれの用語の使い方としては、以下のとおりです。

  • 減価償却費は、
    • 英語でDepreciation(ディプリシエーション)
    • 有形固定資産を償却する時に使われる。
  • 償却費は、
    • 英語でAmortisation(アモタイゼーション)
      ※アメリカ英語ではAmortization。発音は同じ。
    • 無形固定資産を償却する時に使われる。
つまり、有形固定資産とは異なり、無形固定資産(例:商標権、特許権)の償却費はAmortisation(/Amortization)になります。

決算書で減価償却費を開示する場合

ここからは実際に減価償却費がどのように決算書で開示されているのかをご紹介します。Big4監査法人の一つであるPwCが公表している決算書の実例で確認していきます。

前述しましたが、減価償却費は損益計算書(Profit or Loss / PL)に出てくる勘定科目です。
上の画像はPLになりますが、減価償却費は赤で囲っているAdministrative(アドミニストレイティブ)に分類されることが多いです。詳しくはNote 5(注記5)を見ていくことにしましょう。

ちなみに、Administrative(アドミニストレイティブ)は「一般管理費」という意味です。一般管理費については以下の記事で詳しく解説していますので、興味があれば、ぜひご覧ください。
注記5では、PLで開示されている費用を性質別に分類して開示されています。

上の画像の赤で囲っている「Depreciation of property, plant and equipment」が有形固定資産の減価償却費になります。より詳細を見ていくために、Note 26(注記26)に移りましょう。

注記26では有形固定資産の詳細が開示されており、上の画像は減価償却累計額についての開示です。赤で囲っているDepreciation chargeが各有形固定資産の減価償却費になります。

まとめ

まとめ
本記事のまとめ
  • 減価償却費を英語でいうと、Depreciation(ディプリシエーション)。
  • 減価償却費とは、1年以上使用できるような固定資産の取得のために使った費用を、その使用できる期間にわたって費用として配分される金額。
  • 決算書での減価償却費の開示
    • 損益計算書(Profit or Loss / PL)→Expenses by nature(性質別費用)→Property, plant and equipment(有形固定資産)の順で開示される。

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