

人付き合いが苦手で、どちらかと言うと家でゆっくりと独りで過ごすのが好きです。
誘いや依頼をなかなか断ることができず、結局引き受けてしまい、ストレスを感じたり、自己嫌悪に陥ってしまいます…
今回はこんな悩みにお答えします。
友達からの誘いに対するお断りや、同僚からの仕事の依頼に対するお断りに使えるテクニックをご紹介します。
本記事を読むメリットは以下の通りです。
- 「なぜ」「いつ」「どのように」お断りすればいいのかが分かる
- 「できない」と伝える断り方よりも効果的な断り方が分かる
- 「時間がない」と伝えるよりも有効な断り方が分かる
そして、相手に良い印象を与えるのは最初だけで、そのうち何でも引き受けるあなたを単なる便利屋として扱い始めるかもしれません。
今回の記事で紹介する断る技術を学ぶことで、苦手な人間関係に振り回されず、自分の時間を持てるようになり、人生が豊かになる可能性が高まります。
今回の記事では、メイヨークリニックが色々なストレス対策を参考にまとめた断る方法を中心にご紹介していきます。
診療を受けた患者にはアメリカ合衆国の歴代大統領やヨルダン国王をはじめ、各界のVIPが名を連ねています。
目次
お断りに関する「なぜ」「いつ」「どのように」

メイヨークリニックが「ノー」と断るためのアドバイスとして以下の3つのポイントを紹介しています。
(参照:Mayo Mindfulness: When and how to say no for stress relief)
- 「ノー」と言う理由
- 「ノー」と言う時
- 「ノー」と言う方法
では一つずつ解説していきます。
1.「ノー」と言う理由
これは当たり前のことですよね。
ですが、なかなか断ることができず、色んな依頼を引き受けてしまい、手が回らなくなってパンクしてしまうなんてことはありませんか?
断ることは簡単な方法ではないですが、あなたのストレスを減らしてくれる「技術」です。
そもそも「負担だと感じる程度は人それぞれ」だということを覚えておいてください。
あなたの同僚が10個のプロジェクトを楽にこなすからといって、あなたも同様のことができるとは限りません。
何が負担になるかは、あなたにしか分かりません。
以上のことを踏まえて、「ノー」と言う理由について考えてみましょう。
「ノー」と言うことは必ずしもわがままではない
新しい何か(仕事や誘い)に「ノー」と言うことは、言い換えると、今あなたが抱えている義務を尊重し、質の高い時間を捧げようとしていることです。
例えば、同僚から仕事を手伝ってほしいと頼まれたとして、あなたがそれを断ったとします。断ると謎の罪悪感を感じたことはありませんか?
ですが、それはあなたが今抱えている仕事をちゃんとこなしたいから断るのであって、わがままでも何でもありません。悪いことではないのです。
依頼や誘いをお願いするのはいいのに、断るのはダメなんていうルールはありません。
「ノー」と言うことで、新しいことに挑戦できる
いつもあなたがやっている仕事があったとして、これからもずっとあなたが引き続きやらないといけないなんていう明確なルールはないはずです。
(例えば、契約書に記載されていれば、やらなきゃいけないかもしれませんが。。。)
ですが、誰もが「イエス」と「ノー」を選択できる権利を持っています。
いつも「イエス」と言うことは、健康に悪影響
何でも引き受けてしまうと、だんだんと自分がリラックスしたり、休める自由な時間が少なくなっていくのは簡単に予想できると思います。
ストレスを解消できる自由な時間がなくなり、ストレスを溜め込んでしまうと、正常な判断もできなくなっていき、やがては心が折れてしまいます。
そんな状態に陥る前に、断る技術を身につけることは予防対策になります。
「イエス」と言うことは、他人の成長を切り捨てることになる
ちゃんとその人なりのやり方を見つけて、対処できるはずです。
例えば、あなたがその仕事を引き受ける代わりに、その仕事の処理の仕方を一度教えてあげれば、次回からはあなたが引き受けなくてもよくなるはずです。
2.「ノー」と言う時
その依頼や誘いが本当にあなたが時間を費やすのに値するのかを決めるのが難しい場合はあります。
そんな時には以下のルールに従って依頼や誘いを評価してみましょう。
最も重要なことに集中
言うまでもなく、人生は有限です。
10代の頃は時間が無限にあるように感じられたかもしれませんが、年齢を重ねるにつれて、色々な義務や制約が出てきます。
イエス・ストレス比率
あなたが引き受けようと検討しているその依頼やお願い事は短期的なものですか?それとも長期的なものですか?
長期でストレスを受けるようであれば、断ったほうがいいでしょうし、短期でも受けるストレスが大きければ、その場合でも断ったほうがいいでしょう。
罪悪感や義務感を排除
もし引き受けてしまった場合には、さらなるストレスや恨みを生んでしまう可能性があります。
「断ったら悪いな…」とか「日頃お世話になっているしな…」と考えてしまう罪悪感や義務感を感じない場合、本当に行くのだろうか?と考えてみましょう。

断る時に訪れる「謎の罪悪感」を感じたことがありますか?私は感じたことがあります^^;
ですが、「断る」というの権利であり、技術やツールです。
よく考えて返事をする
LINEなどで誘いが来た時には、「すぐに返信をしなくては…」と焦る場合があるかもしれません。
ですが、焦って返信をするのは禁物ですので、ひとまず「スケジュールを確認してから折り返します」とか、「確認してみます」と返事をしておいて、よく考える時間を取ることは大切です。
可能であれば、1日の時間は稼げると冷静に判断できると思います。
3.「ノー」と言う方法
「ノー」と言いづらい時はたくさんありますよね。次は「ノー」と言うためのルールをご紹介します。
確実に「ノー」と言う
これらの弱気なフレーズを使うことで、相手に「この人にはあと少しお願いすれば、イエスと言ってくれるかもしれない」と解釈されてしまいます。
簡潔に断る
自分が断ることを正当化しようと、長々と説明するのは避けましょう。
長々と理由をつけて断ると、相手は「よほどこの誘いが嫌なんだろうな…」とか「なんかやましいことでもあるのかな…」という印象を持ちます。
なので、理由を言って断るのであれば、簡潔に短く理由を伝えて断りましょう。
また、断ることに理由が必ずしも必要だというわけでもないので、理由を伝えずにただ断るという選択も全然アリです。
正直に断る
もし嘘がバレた時には、一瞬であなたの信頼は地に堕ちます。
さらに、嘘をつくことはあなたの心にモヤモヤを残すことになります。
例えば、せっかく誘いを断って家でゆっくりと読書をしていても、結局あなたは嘘をついて断ったことを思い返し、ストレスを感じることになります。
相手を尊重する
あなたが断ったことに対して相手が怒る場合は、あなたの断る態度が悪い場合です。
繰り返し断ることを準備しておく
すでに断る理由を伝えている場合、また改めて理由を伝える必要もありません。すでに一度断った通りに、繰り返し断りましょう。
もし食い下がってイエスと言った場合、次のことが予想されます。
- 「実際は行けるはずなのに、一回断ったな…」と、相手からの印象が悪くなる
- 「押したらいけるヤツだな」と、相手からナメられる
「できない」ではなく、「しない」と伝える

断る際に「できない」と伝えたほうがいいのか?または「しない」と伝えたほうがいいのか?というのを調べた研究があります。
(参照:Vanessa M. Patrick et al.(2012)“I Don’t” versus “I Can’t”: When Empowered Refusal Motivates Goal-Directed Behavior)
この研究で分かった結論は、「できない」よりも「しない」と断るほうが効果的ということです。
ただし、外部的な要因で「できない」と断る時は、相手に環境や状況が変われば「できる」と捉えられてしまいます。
あなた「えっと…」
自分が行きたくない場合は、「できない(行けない)」と断るよりも、「しない(行かない)」と正直に断るほうが良いでしょう。
その際に、今回上で紹介したメイヨークリニックがまとめたポイントを意識して、断るようにすることが大切です。
断るテクニックにも使える「If-thenルール」
「(If)もしXが起きたら、(then)Yをする」と一連の行動の流れを予め決めておく目標達成率が2倍になるテクニック。
»【目標達成するための強力なテクニック「If-thenルール」を解説】
「Then」の部分に「その場ではすぐに答えず、スケジュールを確認してから返答するようにする」と決めておくと、急な誘いに焦る必要がありません。
スケジュールを確認するふりをして考える時間を稼ぐことができたり、上で紹介したイエス・ストレス比率を考えることもできます。
「時間がない」ではなく、「お金がない」と断る

断る時は、「時間がない」と言って断るほうがいいのか?または、「お金がない」と言って断るほうがいいのか?を調べた研究があります。
(参照:Communicating Resource Scarcity)
結論は、「時間がない」と言うよりは、「お金がない」と言って断るほうが相手から信用されるということでした。
また「お金がない」と断る以外にも、「気力がない」と断ることも、「お金がない」と断ると同様に有効だったということが判明されています。
断ってばかりいるのは不安な時の対処法

あなたがどんな時に誘いや依頼を引き受けたり、または他人を手助けるべきなのかを決めるシンプルなルールがあります。
これはペンシルベニア大学ウォートンスクールの組織心理学を専門とする教授アダム・グラントの著書「GIVE&TAKE 「与える人」こそ成功する時代」という本で紹介されているテクニックです。
なので、相手のお願いを断るかどうかのルールとして、五分間の親切はオススメです。
まとめ:正しく断る技術を手に入れて、時間を有効活用するのは正義

最後に本記事のまとめです。
- 断っても良い理由、いつ断って良いのか、どのように断ったら良いのかを理解しよう
断っても良い理由:・断ることはわがままではない・断ることで時間ができ、新しいことに挑戦できる・いつも断れないのは、メンタルに悪影響断ることは他人の成長する機会を奪っている
断る時:
・重要度が低ければ、断っても良い・イエス・ストレス比率で考えよう・断る罪悪感や義務感は捨てても良い・良く考えて返事しよう断る方法:・確実に断ろう・簡潔に断ろう・正直に断ろう・相手を尊重しよう・繰り返し断る準備をしておこう - 「できない」ではなく、「しない」と伝えましょう
- 「時間がない」ではなく、「お金がない」と断りましょう
・「気力がない」と断ってもOK - 断ってばかりだと人間関係が崩れるので、五分間の親切を使ってみよう
今回紹介した内容以外にも、断る技術を学びたい方は以下の本もオススメですので、興味がある場合は読んでみてください。
✔オススメの本
こちらは人にお願いごとをする技術を学べる本です。
人にお願いする側のテクニックを理解することで、逆にどうやって上手くお願いごとを断ったら良いのかも理解することができるので、オススメです。
こちらは「ギバーとテイカーのどちらが成功できるのか?」について書かれた本です。
この本の中に今回ご紹介した五分間の親切も解説されているので、詳しく知りたい場合にはオススメです。
“嫌な思いをさせない友達の誘いの断り方3選【仕事に使用可】” への2件のフィードバック