

接待交際費って英語でなんていうんだろう?

接待交際費を英語でいうと、「Entertainment expense」や「Meal and entertainment expenses」といいます。
この記事では、接待交際費の英訳の他に、以下について解説していきます。
- 取引先に渡す手土産や贈与の英語表現とは?
- 接待交際費の帳簿の付け方
- 接待交際費(会社の経費)にならない場合とは?
- 決算書では接待交際費はどこに開示されるのか?
接待交際費を英語でいうと?

接待交際費を英語で表現すると、以下の言い方があります。
- Entertainment expense(エンターテイメント エクスペンス)
- Meal and entertainment expenses(ミール アンド エンターテイメント エクスペンス)
※なんとなくでも読めるようにカッコ内にカタカナでの読みを入れています。すべて単数形の発音ですので、厳密に正しい発音ではありませんm(_ _)m
また、「Meal」には、食事という意味があり、接待で取引先や関係者をもてなす多くの場合は食事会であることから、「Meal and entertainment expense」でも接待交際費という意味で通じます。
そもそも接待交際費とは?
そもそも接待交際費がどんなものを指すかというと、以下のような費用のことです。
交際費とは、広い意味 では外部との付き合いまたは交渉などの際に支払われる費用のことである。
Wikipedia「交際費」
会計上での交際費については、以下のとおりです。
得意先などの事業関係者に対する接待費その他の支出を交際費(または接待交際費)として処理する。
Wikipedia「交際費」

つまり、接待交際費とは「得意先や事業関係者との付き合い/接待などで発生する費用」のことになります。
取引先に渡す手土産や贈与の英語表現とは?

ここから先は英文会計の話になるので、少し難しくなります。英文会計の基礎を知りたい場合は、まずは以下の記事をぜひご覧ください。
>>【【英文会計入門】海外で経理として働くための知識を解説】
接待交際費の帳簿の付け方

下の図はシンプルなPLですが、接待交際費はDr.(貸し方)である『費用』に記帳されるので、その分費用が増えることになります。結果的に利益を減らすことにつながります。

実際の例を複式簿記でみてみましょう。

接待交際費は『費用』なので、PLのDr.が増加し、支払いに使った現金は『資産』なので、貸借対照表(BS)のDr.が減少します。
接待交際費(会社の経費)にならない3つのパターン

会社の帳簿には費用として記帳される接待交際費ですが、実は適切な理解を持っておかないと非常に危険なんです。
会社の経費として計上できない場合があるので、ご紹介します。以下3つのパターンです。
これら3つのポイントはIRAS(アイラス)のサイトからまとめたものになります。
IRASは「Inland Revenue Authority of Singapore(インランド レベニュー オーソリティ オブ シンガポール)」の略で、シンガポール税務当局のことを指します。日本でいうところの税務署です。
一つずつ解説していきます。
①自分自身、友人、家族に使ったお金は接待交際費ではない。
理由としては、友人や家族との食事はプライベートなことであり、仕事・ビジネスに関係することではないからです。
なので、自分自身、友人、家族に使ったお金は接待交際費(会社の経費)として計上することはできません。
②社交的な目的で使ったお金は接待交際費ではない。
なぜなら、同僚と食事に行っても、会社の売上につながるものではないですし、会社の事業に関わるものではないからです。
たとえ、同僚との親交を深めるための食事会だとしても、それは接待交際費(会社の経費)として計上することはできません。
③見込み客との打ち合わせにかかる費用は接待交際費ではない。
例えば、見込み客とカフェで打ち合わせしたとして、そのカフェ代をあなたが支払ったとします。
このような場合、カフェ代は接待交際費として計上することはできません。
仕事・ビジネスに関わることなので、接待交際費として認められると考えるかもしれません。
ですが、この段階ではまだ見込み客であり、会社の取引先や事業関係者ではないため、今回の打ち合わせでかかったカフェ代は会社の経費として計上できないのです。

この3つのポイントはシンガポールのルールですので、もちろん国が違えばルールも異なります。
面倒くさくて難しいかもしれませんが、その国の会計・税務ルールを理解しておくことは重要ですね。
決算書での接待交際費の開示例
前述しましたが、接待交際費はPLに出てくる費用ですので、まずはPLを見ていきます。
Big4監査法人の一つであるPwCが公表している決算書の実例で確認していきましょう。
Administrativeの内訳はNote 5(注記5)で開示されているので、そちらを見ていきましょう。
Expenses by natureとは「性質別費用」という意味で、ここには売上原価や販管費などのほぼ全ての費用が開示されています。
上の画像で表示されている勘定科目の日本語訳については、以下の記事で紹介していますので、よかったらご覧ください。
このような場合、以下2つの可能性が考えられます。
①接待交際費が全くない。
ないものは決算書に開示できないので、単純に接待交際費が表示されていないということです。
ですが、多くの場合において、次に紹介する可能性のほうが高いかと思います。
②接待交際費はあるが、他の勘定科目に含まれている。
このパターンの特徴は、接待交際費は発生しているけど、金額が微少な場合です。どの程度の金額を微少とするかは会社の規模によります。
このパターンになる理由として、細かい金額の勘定科目を全て開示するとなると、無駄に多くの勘定科目に決算書のページを割かないといけなくなるからです。
決算書を見る投資家からすると、投資先の会社が使った小さな金額よりも、「何に多くのお金を使っているのか?」のほうが大事だからですね。
注記5(上の画像)の会社で接待交際費が発生している場合、「Other expenses(アザー エクスペンス)」の中に含まれている可能性が高いです。
「Other expenses」の意味は「その他の経費」になります。
つまり、決算書では微少な金額の勘定科目はまとめて、その他の経費として開示することになります。
まとめ

- 接待交際費を英語でいうと、
- Entertainment expense(エンターテイメント エクスペンス)
- Meal and entertainment expenses(ミール アンド エンターテイメント エクスペンス)
- 接待交際費はPLに出てくる費用なので、接待交際費が増えるとその分利益が減る。
- 接待交際費(会社の経費)にならない3つのパターン:
- ①自分自身、友人、家族に使ったお金は接待交際費ではない。
- ②社交的な目的で使ったお金は接待交際費ではない。
- ③見込み客との打ち合わせにかかる費用は接待交際費ではない。
- 決算書での人件費の開示例
- PL(損益計算書)→Expenses by nature(性質別費用)の順で開示例を解説しました。
- 金額が微少な場合、Other expenses(その他の経費)でその他の勘定科目とまとめて開示される。
当然ながら会社のお金は事業に関わることに使われるべきなので、注意が必要ですね。