

引き寄せの法則って聞いたことあるけど、この法則を信じたら願いが叶うって本当?
本当に効果があるのか根拠を知りたいな。
今回はこんな疑問に対して深堀りしていきます。
✔引き寄せの法則を信じると手に入る結果や効果を解説
✔引き寄せの法則の根拠を解説
✔本当に願いを達成するための方法を紹介
いきなり結論ですが、「引き寄せの法則の効果には期待できそうにないから、実際に使える目標達成術をご紹介します」という記事になります。
本記事では、検証実験の記事、論文、以下の参考図書をもとに、深堀りしていきます。
目次
引き寄せの法則を信じると手に入る結果や効果

まずは「引き寄せの法則」の定義を確認すると、以下の通りです。
the Law of Attraction is the belief that positive or negative thoughts bring positive or negative experiences into a person’s life.
Wikipedia
「引き寄せの法則とは、肯定的または否定的な思考が、人生に肯定的または否定的な経験をもたらすという信念のこと。」
一般的には、「強く望むことであなた願いが叶う、または強く願うことでその状況を引き寄せてくれる」という認識が多いかと思います。
「強く想うだけで願いが叶う」という、最強の法則です。
そんな引き寄せの法則ですが、
- 強く想うだけで本当に効果があるのか?
- 誰でも望みの欲しいものを手に入れることができるのか?
が気になるので、さらに深堀りしていきます。
いきなりですが、結論を書きます。
どうやら引き寄せの法則には、望みを実現しないばかりか、欲しいものを手に入れるチャンスを遠ざけてしまう効果があるようです。
人間の脳は、幻想と現実を見分けるのが得意でないことが、明らかにされている(だから映画はスリリングなのだ)。何かを夢見ると、脳の灰白質はすでに望みのものを手に入れたと勘違いしてしまうので、自分を奮い立たせ、目標を成し遂げるのに必要な資源を集結させなくなってしまう。そのかわりにリラックスしてしまうのだ。
残酷すぎる成功法則
するとあなたはやるべきことを減らし、達成すべきことも減らし、結局夢は夢で終わってしまう。
つまり、望む願いをイメージすることは、すでに願いが達成されていると脳が勘違いしてしまうんですね。
すでに達成していると勘違いしているので、脳は「もう頑張らなくていいや」と思ってしまうんですね。
引き寄せの法則の効果を調べた研究
次は「引き寄せの法則の効果」に関して、実際に行われた研究をご紹介します。
「欲しいものを思い描くだけで、実現の可能性が高まる」といった類の説に疑問を抱いたニューヨーク大学心理学教授のガブリエル・エッティンゲンが研究と実験を行いました。
詳しい内容は、「How “Positive” Thinking and Vision Boards Set You Up To Fail」という記事に書かれています。
・願望を思い描くだけでは目標の達成率は低くなる。むしろ、失敗する可能性が大きくなる。
・ある程度のネガティブシンキングは目標達成へのモチベーションを上げる。
・「願望」だけでなく「目標達成への障害」も想像することで成功する可能性は大きくなる。
この研究結果により、「どうやら引き寄せの法則のような『ただ願えば、望みは叶う』という法則には効果がないようだ」ということが分かったということです。
引き寄せの法則が信じられている根拠

上では、引き寄せの法則には効果がないことを解説しました。
ではなぜ、引き寄せの法則に効果があると信じられるのでしょうか?
これは、「確証バイアス」という心理効果が働いていることが原因のようです。
まずは確証バイアスの定義から確認していきます。
認知心理学や社会心理学における用語で、仮説や信念を検証する際にそれを支持する情報ばかりを集め、反証する情報を無視または集めようとしない傾向のこと。
Wikipedia
例えば、引き寄せの法則を信じている(願いが叶ってほしいから、信じたい)ので、「自分の願いは今まさに叶う途中なんだ」と思ってしまう。
「引き寄せの法則には効果がある」という結論からスタートするので、「引き寄せの法則には効果がある」という証拠ばかりを集めてしまい、「効果がない」という証拠は無視する傾向が出てくるということです。
実際に何も行動せず、自分の願いが叶ったら、それはただのラッキーであって、自分が頑張ったからでも何でもないということですね。
「では、実際に願いを現実にするにはどうすればいいのか?」を次で解説していきます。
現実的に願いを達成するための方法

もしかするとここまで読んだあなたは、「引き寄せの法則には、どうやら願いを達成させる効果はなさそうだ」と分かって、がっかりしているかもしれません。
ですが、引き寄せの法則が使えそうにないなら、実際に願いを達成できる方法を使えばいいだけの話ですよね。
引き寄せの法則の問題点は、「過度な楽観主義を持ち、ただ願いを望むだけで終わらせてしまうこと」です。
当然ですが、ちゃんと正しく行動すれば、目標を達成する可能性は高まります。
夢を実現させる最強テクニック:「IF-THENプランニング」&「WOOP」
まずはIF-THENプランニングから解説します。
「もしXが起きたら、Yをして対処しよう」という方法です。
かなりシンプルですよね?

シンプルすぎるけど、IF-THENプランニングって本当に有効なの?
実際にIF-THENプランニングの効果を調べた実験が以下の通りです。
ニューヨーク大学の心理学者、ピーター・ゴルヴィツァーとヴェロニカ・ブランドスタッターの研究によれば、たとえば、目標を達成するための行動をいつ、どこで、どのように取るかなど、ざっくりと計画しているだけで、学生たちが目標を実現できる確率が40%上がったという。
残酷すぎる成功法則
「計画を立てて、障害が出てきたら、あらかじめ立てておいた計画に沿って対処する」という手順を踏んだら、目標を達成する確率が40%上がったということですね。
これだけで、目標の達成率が上がるとすれば、かなり簡単ですよね?
IF-THENプランニングに関する詳しい内容は、以下の記事で解説しているので、ぜひご覧ください。
IF-THENプランニングだけでも十分効果があるようですが、これをさらに実践しやすい形にまとめたものが「WOOP(ウープ)」になります。
・Wish(願い)
・Outcome(成果)
・Obstacle(障害)
・Plan(計画)
の頭文字になります。
一つずつ解説していきます。
- Wish(願い)
まず初めに自分の願い、目標、夢をイメージします。
例:今よりもっと色んなことにチャレンジできる仕事に就きたい。 - Outcome(成果)
次に願いに関して自分が望む成果を具体的に思い描きます。
例:海外で就職する。 - Obstacle(障害)
現実を見て、目標達成への具体的な障害について考えます。
例:英語が話せない。 - Plan(計画)
障害に対する計画を考えます。
例:英語を勉強するため、毎週金曜の英会話スクールに通う。
IF-THENプランニングは3と4のステップだけに対して、WOOPには願いと成果(1と2)を設定する点が異なります。
WOOPのメリット
私たちが目標達成する方法として、WOOPを採用することには大きなメリットがあります。
それは、「私たちがある目標を最後までやり遂げるか、見切りをつけるかを判断するのに役に立つ」ということです。
私たち人間は時に大きすぎる目標を掲げて、挑戦し、達成できないことに悲観してしまうことがあります。
WOOPはこのようなことが起こることを防いでくれるツールになります。
具体的な話は参考図書から引用します。
”エッティンゲンの研究により、「心理対比」は、頑張れば目標を達成できるときにやる気を後押ししてくれるが、目標の実現可能性が低い場合には効果がないことが明らかになった。すなわち、WOOPは、目標が実現する可能性を測る個人的なリトマス試験紙にもなるのだ。
残酷すぎる成功法則
※心理対比とは、WOOPのことです。
望ましい将来に向けて行動を起こしたいなら、けっして容易ではないか達成可能な願いを選ぶこと。「海王星に住みたい」とか、「1年以内に億万長者になりたい」という願いは、ポジティブ思考でもかなわないのと同様、WOOPをしても不可能だ。
成功するには、ポジティブ思考を捨てなさい 願望を実行計画に変えるWOOPの法則
自分の願いは手の届くものだと思っていても、WOOPをしているあいだに、障害が予想より大きいことに気づくこともある。そのような場合、WOOPのおかげであなたはその願いにこだわらずに撤退し、ほかのもっと実現可能な願いに移ることができる。
つまり、掲げた目標が高すぎる場合、その目標を下方修正して、達成できるものからコツコツと達成していくことが大事。
掲げた目標が高すぎるかどうかをチェックしてくれるのがWOOPということです。
まとめ
・引き寄せの法則は、人間の心理バイアスが働いている(確証バイアス)
・本当に願いを達成したいなら、WOOPとIF-THENプランニングがおすすめ
私たち人間は楽をしたい生き物です。
ですが、楽して夢を叶えることができるほど、現実はあまくないですよね。
今回の記事でご紹介した結論は平凡かもですが、結局自分が掲げた目標をコツコツと達成して、最終ゴールに近づいていくのが一番確実のようですね。
今回ご紹介した内容をさらに深堀りしたい場合には、以下の本がオススメです。
✔オススメの本
“引き寄せの法則には効果はあるのか?根拠を解説【残酷な事実】” への1件のフィードバック