内向型と外向型では脳の仕組みが違う【ウサギとカメ】

困るたぬき

もっと楽に人と一緒にいることを楽しめる外向型がうらやましいな…
内向型の自分は人が多い場所に行くとすぐに疲れるし、一人いるほうが楽だと思ってしまう。
内向型と外向型とでは何か根本的な違いがあるんだろうか?


tanuki

確かに人が多い場所にいるとすぐにエネルギー消耗してしまいますよね。
私も一人で読書して考えごとしているほうが楽しいと感じます。


外向型のようにいつも活発でエネルギッシュでいれたら、もっと仕事ができるんだろうなと思うときもありました。

ですが、現在私は自分の内向性を活かして仕事をしています。

私の経歴を簡単に説明すると、以下のとおりです。

たぬきの経歴
アメリカの大学卒業後、USCPA試験を合格
シンガポールの中堅監査法人に就職
シンガポールの別会社に転職し、現在は経理サービスを中心としたバックオフィス業務を提供
内向型・外向型がどう決まるかというと、50%くらいは遺伝だと言われています。

さらに、内向型と外向型では脳の仕組みが異なるので、努力で簡単に変えれるものではないんですね。

内向型と外向型に優劣はありませんが、特性の違いはあります。

であれば、今持っていないものを追いかけるよりも、すでに手にしているものを最大限活用するほうが戦力になります。

RPGで例えると、
  • 戦士は筋力を上げる
  • 武闘家はすばやさを上げる
  • 魔法使いはまりょくを上げる
という感じで、他よりも特性のパラメータを上げたほうが、強くなりますよね。

なので、ここからは内向型の脳の仕組みを理解し、内向型を活かすにはどうすれば良いのかを解説していきます。

本記事の内容は以下のとおりです。

本記事の内容
  • 内向型と外向型の異なる脳の仕組みを解説
  • 内向型の脳の仕組みから学べること

今回は「内向型を強みにする」という書籍を参考に解説していきます。


この本は内向型人間に関する研究を行っている専門家であり、心理療法士のマーティ・O・レイニーさんの著書になります。

内向型と外向型では脳の仕組みが違う

内向型と外向型では脳の仕組みが違う

内向型や外向型の気質の違いは、主に神経科学物質によります。

神経科学物質は、細胞から細胞へ指示を伝え、脳のあらゆる働きを指揮します。

神経科学物質の例は、
  • ドーパミン
  • セロトニン
  • ノルアドレナリン
  • アセチルコリン
  • エンドルフィン
これらの神経科学物質が脳内の特定の場所を活性化することで、私たちがどう振る舞うのか決定されます。

内向型と外向型の気質を左右する要素は以下のとおりになります。

気質を左右する4つのポイント
  • ①刺激を求めるD4DR遺伝子
  • ②異なる神経伝達物質の経路
  • ③ドーパミンとアセチルコリン
  • ④交感神経と副交感神経
一つずつ解説していきます。

①刺激を求めるD4DR遺伝子

気質の違いを説明するのに登場する遺伝子として、D4DR遺伝子というものがあります。

D4DRとは新奇性追求遺伝子という意味なのですが、要するに、新しいことを追求するのが好きな遺伝子のことです。

D4DR遺伝子はドーパミンに影響を及ぼし、これが内向型と外向型の気質に関わります。
(※ドーパミン=興奮のレベルを調整する神経伝達物質。)

内向型は、
  • D4DR遺伝子が短く、興奮するようなことを追求しなくても良い人。
  • ドーパミンに対する感受性が高いので、少ないドーパミンでも敏感に反応する。
  • つまり、少しの刺激でも満足できる。
「D4DR遺伝子が短い→ドーパミンの感受性が高い→刺激に敏感」というのが内向型になります。

なので、内向型は騒がしい場所や人が多い場所では、刺激が多すぎて消耗してしまいます。

反対に、静かでゆったりとした環境で過ごすことを好む場合が多いでしょう。

外向型は、
  • D4DR遺伝子が長く、興奮できるような新しいことが好きな人。
  • ドーパミンに対する感受性が高くないので、大量のドーパミンで反応する。
  • つまり、より多くのドーパミンを生産するために、スリルや恐怖を経験したくなる。
「D4DR遺伝子が長い→ドーパミンの感受性が低い→たくさんの刺激がほしい」というのが外向型になります。

つまり、外向型は静かでゆったりとしたペースはあまり好まず、退屈してしまいます。

外向型はたくさんのドーパミンがほしいため、多くの刺激を得るために新しい場所や人間関係を求めることが多いでしょう。

刺激に敏感な人(HSP)

刺激に敏感かどうかという話は、HSP(Highly Sensitive Person)という気質にも関わってきます。

HSPとは、簡単にいうと、「刺激に敏感な人」という意味です。

HSPの70%は内向型だと言われており、内向型とHSPには多くの共通点があります。

HSPの特徴に関してさらに深堀りしたい場合には、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

②異なる神経伝達物質の経路

アメリカ精神医学ジャーナルで報告されたデブラ・ジョンソン博士が行った実験によると、内向型と外向型の脳に関して以下2つの発見がありました。

①内向型の脳へ流れる血液量は外向型より多かった
②内向型と外向型の血液は、それぞれ脳内で異なる経路をたどっていた

①内向型の脳へ流れる血液量は外向型より多かった

血液量が多いということは、それだけより多くの内的刺激を得ているということです。

つまり、脳へ流れる血液量が多い内向型は、それだけ敏感ということになります。

②内向型と外向型の血液は、それぞれ脳内で異なる経路をたどっていた

内向型の血液が脳内でたどる経路は長く、より複雑で、内部に集中していることが分かっています。

さらに、内向型の血液は、「記憶する、問題を解決する、計画を立てる」といって内的経験にかかわる脳の各部へと流れていたことも明らかになっています。

このことから、内向型は、内部の思考や感情に精力を注ぐ傾向にあることが分かりました。

一方、外向型の血液が脳内でたどる経路は短く、さほど複雑ではないことが分かっています。

外向型の血液は、嗅覚を除いて、視覚、聴覚、触覚、味覚が処理される脳の各部へと流れていたことが明らかになっています。

つまり、外向型は、自分の外で起こっていることに注意を向け、感覚情報に頼る傾向があることが分かりました。

この研究により、ジョンソン博士は、内向型と外向型の行動のちがいは、脳の異なる経路を使うことが原因だと結論づけています。

tanuki

要するに、内向型だと内側に、外向型だと外側に注意を向け、それが行動のちがいに出ているということですね。

③ドーパミンとアセチルコリン

内向型と外向型では、脳が快感を得る方法も異なることが分かっています。

結論からいうと、内向型と外向型が快感を得る神経伝達物質は以下のとおりです。

  • 内向型が快感を得るアセチルコリン
  • 外向型が快感を得るドーパミン

一つずつ詳しく見ていきましょう。

内向型が快感を得るアセチルコリン

「内向型を強みにする」から引用

内向型の脳の主要な経路には、アセチルコリンという神経伝達物質が使われています。

アセチルコリンの働き
  • 注意力と学習力(特に知覚学習)に働きかけます。
  • 穏やかな覚醒状態を維持する能力や長期記憶を利用する能力に影響を及ぼします。
  • 何かを考えたり、感じたりしている時に気分が良くなります。

外向型が快感を得るドーパミン

「内向型を強みにする」から引用

内向型の脳にはアセチルコリンが使われている一方で、外向型の血液がたどる経路では、ドーパミンによって活性化されることが分かっています。

外向型の脳がドーパミンによって活性化される理由として、
  • 外向型はドーパミン感受性が低いので、快感を得るために大量にドーパミンを求めます。
  • 交感神経が働くことで、ドーパミンの助手であるアドレナリンが放出され、脳内にさらにドーパミンを作り出します。
  • 外向型が活動的になればなるほどドーパミンは増えるので、それによって快感が得られます。

このことから、外向型はどこかに行ったり、人に会ったりすることで、エネルギーを得たり、気分が高まったりするのです。

④交感神経と副交感神経

「内向型を強みにする」の著者であるマーティ・O・レイニーさんは内向型・外向型の気質の基礎を以下のように考えています。

内向型
  • 副交感神経が優位に働いている。
  • 副交感神経にはブレーキのような役割があり、アセチルコリンによって活性化される。
  • 副交感神経優位の内向型は、意識を内に向けることによってエネルギーを節約する。
外向型
  • 交感神経が優位に働いている。
  • 交感神経とはアクセルのような役割で、ドーパミンによって活性化される。
  • 交感神経優位の外向型は、意識を外に向け、活動によってエネルギーを増量する。
実際に、デイヴィッド・レスターとダイアン・ベリーという研究者が行った調査結果でも、内向型は副交感神経が優位であると報告されています。

外向型とはちがい、ドーパミンは内向型にエネルギーを与えません。

むしろ、外向型が快感を得るほどのドーパミンの量が内向型の脳内で出てしまうと、刺激が多すぎると感じます。

tanuki

例えば、パーティに参加して最初のうちはドーパミンが出て、内向型も楽しめるときもあるでしょう。
ですが、たいていの場合、多すぎる刺激で消耗してしまいます。


内向型も行動を起こす時には交感神経を使う必要があります。

なので、いざという時のために、エネルギーを蓄える副交感神経優位の状態でいるのを内向型は心地よく感じるのです。

内向型の脳の仕組みから学べること【戦う場所が超大事】

ここまで内向型と外向型の脳の仕組みについて解説してきましたが、一度ここで内向型の脳についてまとめます。

内向型の脳の仕組みとは、
  • ドーパミンに対する感受性が高いため、静かな活動でも充分な刺激が得られ、人生にさほどのドキドキを求める必要がない。少しの刺激でよいので、コスパが良い。
  • 血液は「記憶する、問題を解決する、計画を立てる」という内的経験にかかわる脳の各部へと流れており、思考や感情に精力を注ぎやすい。
  • アセチルコリンが使われており、注意力や学習力に働きかける。
  • 副交感神経が優位のため、エネルギーを節約する傾向にあり、ブレーキで行動をコントロールするのが得意。
こう見ると、内向型は静かな環境で興味のあることを深く探求することに向いているのは明らかです。

ですが、現代では周囲のペースが早く、内向型らしいペース配分を作りづらいかもしれません。

なぜなら、テクノロジーの発展とともに、スピードが重視される社会になってきているからです。

例えば、
メールが出てきてからは手紙でのやり取りは遅く感じ、みんながメールでの対応を求めてきたでしょう。
ケータイが出てきてからは、LINEや電話での早急な対応を求められる場面が増えました。
どんなに丁寧な対応であっても、遅くては意味がないと考える人も多いと思います。

スピーディな対応を求められる場合、内向型の多くはストレスを感じるでしょう。

繰り返しですが、内向型が得意なことは慎重に考える思考作業スピーディな行動は外向型の分野です。

実際のところ、内向型はたいてい、外向型よりペースが遅いです。

なので、内向型がカメ、外向型はウサギのように思われるかもしれません。

理由として、内向型はエネルギーの蓄えを計算しながら小出しにしていく必要があるからです。

外向型と同じようにスピーディに行動しようとすると、燃料タンクは底をつき、ヘトヘトになって燃え尽きてしまうからなんですね。

ですが、実際大事なのはウサギのようにスピーディになることよりも、ゴール(目標達成)することです。

もし内向型が外向型のように常に走り続けようとすると、すぐに消耗しきってHPがゼロになってしまいます。

内向型はカメ、外向型はウサギという例えは、おとぎ話のウサギとカメから借りましたが、私は一つ疑問に思うことがあるんです。

tanuki

なぜ、カメは陸の上での勝負を引き受けたんだろう?


カメは泳げるから、水泳での勝負のほうが普通にウサギに勝てると思うんですよね。

おとぎ話だから、戦う場所は分かりやすく「陸の上」ということになっていますが、現実では戦う場所を選ぶことができますよね。

勝負に勝つためには、個人の能力を上げることも重要ですが、戦う場所を選ぶことも超重要です。

不利な場所で戦えば、優秀な人材でもふつうに負けることがあります。

なので、内向型が外向型と同等に渡り合うためには、今戦っているフィールドがそもそも内向型に合っている場所なのか?ということを確認する必要があります。

tanuki

今あなたがいる場所はどこですか?陸の上で戦ってませんか?


内向型の気質に合った働き方について以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

まだ自分の強みを見つけれてない内向型のために

内向型の強みを活かすのが良いのは分かっていても、実際何が強みなのかはっきりと分からないこともありますよね。

そこで今回参考書籍として紹介した「内向型を強みにする」がオススメです。


この本では、内向型の強みの活かし方について具体的な例とともに書かれており、内向型がこの世の中をどうやって生き抜けばよいのかのヒントが盛りだくさんです。

内容も堅苦しくなく、分かりやすく書かれており、読みやすくて実用的です。読んで損はないですよ。