【超会計力】英語で「原価」とは?原価を計算するメリット
たぬき

英語で「原価」は何というのか知りたいです。原価にはどんなものが含まれるんでしょうか?そもそも原価は計算したほうがいいの?
海外で働きたいから、もっとスムーズに英語で会計を理解できるようになりたいな。

今回はこんな疑問にお答えします。

本記事の内容は以下の通りです。

今回の記事内容

・原価は英語で「Cost of sales」
・PLで原価を計算するメリットはGross profit

本記事を書いている私の経歴を簡単に説明します。

当ブログ運営者の経歴

・USCPA合格後、新卒としてシンガポールの中堅監査法人に就職。3年間ほど勤務。
・その後転職し、現在はシンガポールで経理関連の業務を中心にバックオフィスの仕事。

シンガポールで会計に関わる仕事を8年している経験をもとにお話していきます。

※シンガポールの会計基準にそって話を進めていきますので、国際会計基準よりになります。

原価は英語で「Cost of sales」

シンガポール会計基準(SFRS(I))1-1「Presentation of Financial Statements」に沿って、解説していきます。

※「SFRS」はシンガポール会計基準(Singapore Financial Reporting Standards)の頭文字です。

英語で会計用語

原価(または売上原価):Cost of sales / Cost of goods sold(物販の場合)

今回は、原価をCost of salesで統一することにします。

上のPLのように、Cost of salesはSales(売上)の下に位置します。

Salesに関する詳細は、以下の記事にて解説してます。

Cost of salesには何が含まれるのか?

業界によってCost of salesに含まれる費用が異なります。

ここではざっくりとCost of salesに含まれる費用の一般的な例を紹介します。

Cost of salesに含まれる費用例

<製造>
・Raw materials(原材料)
・Labour cost(人件費)

<物販、飲食>
・Purchases(仕入れ)

<サービス>
・Labour cost(人件費)

場合によっては上記の費用だけでなく、輸送費、減価償却、家賃などをCost of salesに含めることもあります。

理由は、そのビジネスや業界の性質上、これらの費用を含めたほうがより正確かつ適切にPLとして開示できる場合があるからです。

例えば、製造業の会社が機械を使って商品を製造している場合、減価償却もCost of salesに含めたほうがより正確な数字を開示できると判断すれば、減価償却がCost of salesに含まれることもあります。

他にも、郵送業の場合は、輸送費(空輸、船便など)やガソリン代などもCost of salesに含まれる場合もあります。

✔棚卸し(在庫)があるビジネス

棚卸し(在庫)があるビジネスの場合、Cost of salesの計算方法は以下の通りになります。

Cost of salesの計算式

Cost of sales = Beginning inventory + Purchases – Ending inventory
(売上原価=期首棚卸+仕入れー期末棚卸)

例えば、物販ビジネスを行う際は、仕入れをして商品を販売することになります。

前月の在庫が残っていれば、当月に仕入れたものだけでなく、残っている在庫から販売していくことになります。

そして、前月の在庫が多く残っていれば、当月の仕入れは少なくするはずです。

上記の計算式を使うことは、棚卸しの量も加味するので、より正確なCost of salesが計算できるようになります。

PLで原価を計算するメリットはGross profit

原価を計算し、PLで開示するメリットは、売上総利益(粗利益)を確認できるからです。

売上総利益(粗利益)は英語で「Gross profit」といいます。

SalesとCost of salesの数字が分かれば、Gross profitの数字も算出できます。

Gross profitは「どのくらい本業で稼げているのか?」というその会社の稼ぐ能力を示す指標になるので、PL上ですぐに確認できるのは便利です。

2種類のPL開示方法:「By nature」&「By function」

PLには、原価を「開示しない方法」と「開示する方法」があります。

それが「By nature」と「By function」の2種類です。

開示方法の意味

By nature(’nature of expense’ method)
・意味は「性質別」
・PLで原価を開示しない

By function(’function of expense’ method / ‘cost of sales’ method)
・意味は「機能別」
・PLで原価を開示する

この記事では「By nature」、「By function」と呼ぶことにします。

企業はこの2つの開示方法のどちらを使うかを選べます。

この2つの開示方法について、具体例を使って深堀りしていきます。

✔By nature(’nature of expense’ method)の場合

✔By function(’function of expense’ method / ‘cost of sales’ method)の場合

上の「By nature」と「By function」のPLの違いをまとめると以下の通りになります。

By natureとBy functionの違い

・By nature:全ての費用項目をそのまま開示。
・By function:全ての費用をCost of sales(原価)、Distribution(流通、販売)、Administrative(一般管理)、Finance(金融/財務)にそれぞれ振り分けて開示。Gross profitも計算され、開示される。

費用のカテゴリ分けの具体例に関しては、以下の記事で紹介しています。

企業はPLをBy natureとBy functionのどちらで開示するかを選べますが、PLをBy functionで開示する場合、注意点があります。

シンガポールの会計基準として、PLをBy functionで開示すると、決算書の注記にBy natureで費用を開示する必要があります。

PLを開示する際の注意点

・By natureでPLを表示する場合、費用をBy functionで開示する必要はない。
・By functionでPLを表示する場合、費用をBy natureで注記に開示する必要あり。

つまり、どちらの開示方法と使っても、By natureで費用を開示する必要があることになります。

違いは、PLで開示するか、注記で開示するかです。

By natureで費用を開示する理由は、今年度と前年度の各費用の比較がしやすく、将来のキャッシュフローの予測に役立つからです。

実際に数字が入った2つのPLを比較して確認してみましょう。

✔By natureのPL

✔By functionのPL

By natureだけのPL開示のほうが良いかというと、それは開示する企業次第です。

By natureで開示したPLでは前年度との費用の性質ごとに比較(どんな費用がいくらかかったのか)がしやすいですが、Gross profitの数字がすぐには分かりません。

性質ごとに各費用の比較をすることも大切ですが、Gross profitを把握したい経営者や株主は多いです。

By functionでPLを開示するとGross profitの数字がすぐに分かるので、PLはBy functionで開示し、注記でBy natureの開示するほうがより多くの情報を確認できます。

✔PLをBy functionで開示した時の注記例

ちなみにBy functionでPLを開示した場合、どのようにBy natureで開示するかをPwCの決算書サンプルを例に確認すると以下の通りです。

※決算書上の注記は英語で「Note」といい、注記がある数字の横に番号が振られています。

PLでは、各費用に振られていた注記番号は5なので、決算書の注記5のページに行ってみると、以下のように費用がBy natureで開示されています。

このようにPLをBy functionで開示した場合、決算書の注記で各費用がBy natureで開示されるので、Gross profitだけでなく各費用ごとに前年度との比較もできます。

まとめ

最後に本記事のまとめです。

記事のまとめ

✔原価は英語で「Cost of sales」または「Cost of goods sold」
Cost of salesに含まれる項目は業界や会社によって異なるが、一般的には、Raw materials(原材料)、Labour cost(人件費)、Purchases(仕入れ)などが含まれる。

✔原価を開示するメリットは、Gross profit(売上総利益)
Sales – Cost of sales = Gross profit
(売上ー原価=売上総利益(粗利益))

By natureでの開示:PLで各費用の前年度との比較ができるので将来かかる費用の予測に使えるので便利。ただし、Gross profitがすぐには分からない。
By functionでの開示:Gross profitが計算されている。By natureの費用は注記での開示が必須なので、注記を見れば各費用の前年度との比較ができる。